大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

富山家庭裁判所 昭和35年(家)26号 審判 1960年1月23日

申立人 三森ヤヱ(仮名)

事件本人 三森正雄(仮名)

主文

事件本人三森正雄は、本日より本件審判手続終了に至るまでその所有に係る別紙記載の物件について、売買、贈与及び抵当権、質権、賃借権等の設定その他一切の処分行為をしてはならない。

本籍並住所富山県上新川郡○○村××○○○番地三森文治を本日より本件審判手続終了に至るまで、上記物件の管理人に選任する。

(家事審判官 中田忠雄)

別紙<省略>

申立の事情

上記申立人は事件本人三森正雄の母であるが、三森正雄は土地を有し前記住所において農業に従事しているものであるが、昭和三三年一二月頃より遊蕩にふけり農繁期の少期間農業に携るが収穫が終るや直に供米代金等を農協より引出しその上各所において借金をなし過去一か年位に二百数十万円にものぼる浪費をし親族の諫言にも少しも耳をかさない状況である。このまま放任して置くときは本人の所有する土地は数年を出ずして費消しつくして終に家族を路頭にまよわせる事となる。よつてこの際準禁治産者として配偶者を補佐人とし財産確保をしたいから準禁治産の宣告を求めるため本申立に及んだ次第である。

事件本人が浪費のため借入された状況並に収支状況

一、富山市○○○町○○質店において借入したもの

昭和三十四年 八月頃  十五万円 父文治において借金して返済、別紙領収書のとおり(一号証)

昭和三十四年十二月 ○日 十万円 未済 借用証写(二号証)

昭和三十四年十二月○○日 十万円 〃  〃   (三号証)

昭和三十五年 一月 ○日 十万円 〃  〃   (四号証)

二、富山市○○○小林久夫より借入

昭和三十四年 一月○○日 十万円 父文治において借入金をして返済、別紙領収書のとおり(五号証)

昭和三十四年 一月○○日 十万円 同上(六号証)

三、○○農業協同組合よりの借用

昭和三十四年中に   約二十万円 未済

四、その他よりの借入されていると推定のもの

五万円 未済

五、農協より供米代より引出された金の概算

百二十万円余り

合計浪費されたと推定される金額

二百十万円

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!
©大判例